片づけの怒りは、自分への劣等感?

こどもが片づけてくれない姿をみると、ついカッとなることってありますよね。仕事で疲れていたり、家事に追われていると、気持ちの余裕も失い、つい感情的になってしまうものです。母親として穏やかでいたいのに、部屋を散らかされると「片づけてるのはいつも私ばっかり..」とモヤモヤ、イライラ。

よく人は環境で変わると言われますが、毎日接するお母さんの心の状態が、子どもに影響を及ぼしていることは確かです。
しかしその逆、子どもの姿をとおして、親も少なからず影響を受けているといわれています。

子どもに自分の姿が映る

親と子どものコミュニケーションが上手くいかない原因のひとつに、「親は、子どもに自分の姿がみえる」ということがあります。親は、自分のいいところや好きなところが、子どもにも受け継がれているぶんには嬉しいのですが、自分の嫌な部分を子供が再現すると、つい怒ってしまうのです。


例えば、私は子どもの時に親に言われて嫌だったことを、我が子に言ってしまうことがあります。
学生の頃、勉強しながら、電気を付けっぱなしでよく居眠っていたのですが(笑)、母によく「もう!電気代の無駄遣いばかりして!!!」と、叩き起こされる度に毎回後ろめたく、そんな自分がとても嫌でした。


しかし親になってからは、同じように居眠る息子に対して、まさに母親と同じ口調で強く叱っていたのです。

私の中に、電気を付けっぱなしで寝ることは「自己管理ができていない」という劣等感ができあがり、息子に映し出された自分の嫌な姿に対して腹を立てていたのですね。

ではもし、「片づけ」に関して子どもにカッとなりやすい、という方がいらっしゃるとしたら、もしかするとそれは「自分の劣等感」に対して、腹を立てているのかもしれません。

怒りは自分への劣等感

「怒り」の原因のひとつは、自分への「劣等感」だといわれています。そして、それは周りから受ける影響が大きいといわれています。

特に親は、子どもと一緒に過ごす時間が多く、中でも母親の価値観は、子どもに大きく影響を与えると言われています。
母親にどんなことで叱られたかによっては、子どもへの劣等感もさまざまです。また親の叱りグセが、良くも悪くも子どもへと伝染していくのです。


では、片づけをしないことで叱られていた、自分の嫌な姿が、「我が子に映し出されているかも」と気づいたら、どのように対処すればよいのでしょうか。
例えば、自分が子どもの頃に「親がどんなふうに言ってくれたら、素直に聞いたかな」と考えてみるのもひとつです。
親がガミガミ言わずに、もっと褒めてくれたら気持ちよくできたのにな、と思っていたら、それを実際にやってみるのもいいと思います。

言葉より、態度で示そう

子どもは、なかなか親の言うことを「聞き」ませんが、親のやること(行動や言動)はよく「効き」ます。

子どもは意外と親の姿を見ているものです。まずは私たち親が「片づけている姿」をしっかり見せることが大切です。


イヤイヤしていないか、不要なモノに執着していないかなど、もし子どもの「片づけのだらしなさ」が、明らかに「自分の真似をしているな」と感じたら、まずは親が先にその姿を直すべきなのかもしれません。

逆に子どもの前で、仕事や家事さえも楽しんでいる姿を見せられたら、きっと子どもたちも将来、同じような価値観を引き継いでいくのではないでしょうか。

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